クロ

52ヘルツのクジラたちのクロのネタバレレビュー・内容・結末

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

本屋大賞を受賞し映画化された『流浪の月』と同様、他人の不幸消費映画であ~苦手~って思い続けながらみてしまった。あらすじ読んだ時点で薄々これは相当苦手な映画なのでは…って思いながらも、まあ成島出だし…って思って観に行ったら案の定って感じだったな、成島出好きな分落胆も大きいけどね

虐待だけじゃなく、介護、トランスジェンダー、DV、田舎など様々な不幸要素てんこもりで、どれも主人公や主人公周りを不幸にするための要素にしかなってなくてめちゃくちゃ嫌だった。
社会を撃ち抜く気もないのに他人の不幸を消費すんなよと思う。

この映画は早々に、「52ヘルツのクジラ」の意味を語る。ここで描かれる登場人物はクジラたち、叫びが届かない人達として描写されるわけだけど、性的マイノリティや介護をしてる人達を押し並べて「クジラたち」とするのはどうなんだ?不幸は並べられるものなのか?不幸としてだけ消費していいのか?結論もあやふやでどうなんだそれ…って感じだったけど、結局解決までの道筋を考えてないから描写できないんだと思うんだよな。『素晴らしき人生』は自伝なだけあってちゃんとその辺描かれてたぞ?
テーマを絞らず不幸を羅列しても、可哀想!自分達はまし!彼女たちを不幸と思える自分達は倫理的にまとも!と観客に思わせる機能しか有さないと思うので個人的には非常~~~に嫌だった。

うーん、明確に「誘拐」というワードも出てくるし、成島出なりの、『八日目の蝉』リメイク的な部分も期待したんだけどな~。より不幸、よりあやふやな映画になっているだけに見えてそこもがっかり。『流浪の月』のときも思ったけど、本屋大賞ってこんな不幸てんこもり小説がウケるのか???
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