みち

52ヘルツのクジラたちのみちのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.0
杉咲花が素晴らしかった。

俳優は泣くものだ。物語に痛みがあれば涙を流す。彼らは泣くものだ、と観客も、心のどこかで思っている。

今回の杉咲花も泣くのだけれど、一人の役者の泣き顔と泣き声をこれだけ多彩に観ることはあまりないんじゃないか。そう思うくらいさまざまな痛みに曝されて、それらがどれも胸に迫った。やり切った映画だと思う。

子役の桑名桃李もよかった。周りの雰囲気に媚びない役者で、表情を奪われたような彼だからこそ、ふいに笑んで現れる終盤、それだけで心動かされる。キャラクターができていた。
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