Keito

52ヘルツのクジラたちのKeitoのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.8
52Hzのクジラは世界で1番孤独な鯨。

あなたの声を聞かせてほしい。

杉咲花×志尊淳。


とても苦しい作品です...。
タイトルから穏やかな作風かな?と思っていましたが、全くそんなことなく、非常に社会派で、誰しもが抱えている闇や葛藤をこれでもかと見せられるのでこれから見る方は少し注意して欲しいです。

最初に苦しいと書きましたが、例えどんなに辛い時でも、誰か自分自身を支えてくれる人やSOSの声を上げることが重要であると考えさせられました。
きなこも過ぎ去ってゆく毎日に絶望して自殺してしまいそうだったけど、彼女に手を差し伸べたのは安さん。今の気持ちを吐露することが自分の精神の支えになることは確かだと思います。

きなこと一時期付き合うパートナーとして宮沢氷魚さんが演じていますが、これがとんでもないモラハラDV気質を持つ男性。
普段の氷魚さんの温厚な感じとは裏腹にとても怖かったので、印象的でした。

映画情報

2021年本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、杉咲花主演で映画化したヒューマンドラマ。

自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚。ある痛みを抱えて東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんとの日々を思い起こしていく。

杉咲が演じる貴瑚を救おうとするアンさんこと岡田安吾を志尊淳、貴瑚の初めての恋人となる上司・新名主税を宮沢氷魚、貴瑚の親友・牧岡美晴を小野花梨、「ムシ」と呼ばれる少年を映画初出演の桑名桃李が演じる。「八日目の蝉」「銀河鉄道の父」の成島出監督がメガホンをとり、「四月は君の嘘」「ロストケア」の龍居由佳里が脚本を担当。タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く、世界で1頭だけの孤独なクジラのこと。
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