原作よりも、もっとアンさん、そしてトランスジェンダーについてクローズアップしている映画だったように思う。アウティングによって慟哭するシーンは残酷すぎて、涙が止まらなかった。
ただ、やっぱり尺の問題もあって、原作の全てを描けていたわけではなくて。52ヘルツでうたっている他のみんなの声ももっと聞きたかったな。
登壇付き上映で、トランスジェンダー監修の若林さんのお話を聞けたのは本当に良かった。セリフのひとつひとつ、アンさんの行動ひとつひとつにすごく拘って話し合って作り上げてきた過程を聞いて、だからこそこのリアルで優しくて悲しいアンさんが出来上がったんだなと思った。