魚さかな

52ヘルツのクジラたちの魚さかなのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.8
 杉咲花と志尊淳と子役、それぞれの母親との関係性を描き、介護・LGBT・育児放棄・DVなど社会問題を描きつつも、温かみのあるヒューマンドラマ。
 仲間のクジラに聴こえない鳴き声の音域を表す「52ヘルツのクジラ」を、声を上げたくても周りに届かない社会問題の弱者の声に見立てている。
 ロケ地が大分県・福岡県北九州市の商業施設チャチャタウン小倉、出てくる地名も博多や長崎で九州地方。
 杉咲花は、母親から支配されても従順で、恋人から支配されても従順で、そういう境遇の芝居が上手い。
 志尊淳は、前半が落ち着いた大人の演技が良く、普段LGBT案件の役柄が多い俳優だが後半の展開は予想外だった。
 3人それぞれの母親、真飛聖・余貴美子・西野七瀬の描き方も良かった。特に西野七瀬は、見終わってもあれが西野七瀬だったと気が付かない変貌ぶりが素晴らしい。
 本屋大賞の原作を未読のせいなのか、金持ち御曹司の宮沢氷魚の部分だけ非現実的でマイナス。Filmarks初日満足度1位を知って観賞。GAGA制作で上映館が少なすぎる。2024年13本目
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