アシダテメイカ

52ヘルツのクジラたちのアシダテメイカのレビュー・感想・評価

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
4.8
余韻のものすごい作品でした。
構成も言葉選びも伏線も秀逸で、私はこの作品に出会えてよかったです。

社会問題をリアルに描いていて、キャラクターそれぞれの抱えるものあり、とても心に突き刺さる物語。予告では虐待やヤングケアラーを取り扱った作品であることはわかっていましたが、内容はそれ以上に複雑でした。

「乗り越えられないものある。けど、幸せになることを諦めるな」と言われているようで、苦しい話ではありますが、光を与えてくてるそんな温かみを感じました。

特に主人公キナコを救った、安吾に感情移入してしまって、それまで言っていた言葉が沁みるものばかりであの結末に言葉が出ません。

おそらく、どの言葉を使っても語り尽くせない物語だと思います。けれど、「悔やんで終わり逃げて終わりではなく、その後も続く長い旅の中で向き合っていくことを諦めずにいよう。そしたら、手を差し伸べてくれるような人が現れるかもしれないし、方法が見つかるかもしれないから」と、そんなことを伝えてもらった気がします。

今、救われないと悩む人に届いてほしい作品です。

あと、主題歌のサウシーが最高でした。