ZELDA

じゃ、また。のZELDAのレビュー・感想・評価

じゃ、また。(2023年製作の映画)
3.0
主人公の下宿が綺麗すぎて、着てるアロハにきっちりアイロンかかりすぎてて、うらぶれ感は圧倒的に足りなかったけれど、主人公と相方の会話が絶妙。小津作品っぽい抑揚のない会話だが、間合いがすばらしく、音楽も使っていないのに、作品に心地よいリズムがあった。
キツネ顔とタヌキ顔の2人、ルックスのバランスも良い。

淡々と流される日常の光景に、唐突に差し込まれていくフラッシュバック的映像の違和感が、時の経過とともに積もっていく。
そして、違和感がコップいっぱいになったところで、明かされる事実。焦燥も怠惰も生活館もないいまどきの若者の映画かと思っていたが、喪失という要素が実は秘められていたことを知り、はっとさせられた。
ラストシーンの窓の使い方も効いている。
真夏の白昼夢。
ZELDA

ZELDA