今を時めく俳優たちの映画デビュー作を観てみようシリーズ『あの人は昔』、ホアキン・フェニックス編。
5人の少年少女と一人の女性インストラクターが実習のために乗り込んだスペースシャトルが本当に宇宙に打ち上げられてしまい、さあ大変! という、まるで漫画のようなシナリオの映画。
そんなバカな! と突っ込みたくなるのだが、一応NASAと本物の宇宙飛行士たちの全面協力のもとに製作されている。
スペースシャトルのセットも、10億円以上の巨費を投じて作られたらしいので、細部にわたるまでリアルなのであろう。
しかし、事故の原因を作ってしまったロボット ‶ジンクス” のAIが賢すぎて、これだけは当時の時代にそぐわない。こんなロボット、今でも作れないだろうに。
実を言うと、宇宙に飛び立ってしまう展開になるのは意外に遅い。前半のスペースキャンプでのエピソードは、後に宇宙へ行っちゃう個性的なメンバーの紹介も兼ねているのかも。
危機的状況の中、どのようにして地球に帰還するか? というのがクライマックスで、その点は、名作『アポロ13』に近いものがある。しかし決定的に違うのが、こっちは大半の乗組員がド素人だという点。なので『アポロ13』とはまた異なる緊張感がある。
最初はバラバラだったメンバーが、次第に結束力を強めていく展開も、ベタだけど熱い。
それにしてもモールス信号に気付くの遅すぎだろ、管制室。
さて、肝心のホアキン・フェニックス(本作ではまだ芸名のリーフ・フェニックス)の役どころだけど、メンバーの中で最年少のマックスを演じている。当時12歳。
マックスはかなりのスター・ウォーズフリークという設定。だが、侮るなかれ、かれはNASAが開発したロボット ‶ジンクス” が故障してしまったとき、何と自力で修理してしまうのだ! 何という天才少年。NASAは彼をスカウトすべきだ。
その他にも、後半ではメンバーの中で一番小柄である彼にしか成しえない、ある重要な任務を負うこととなる。
それなりに出番も多く、もうすでに、このころから演技力の高さも折り紙付きである。