くさむすび

ガールズドライブのくさむすびのレビュー・感想・評価

ガールズドライブ(2023年製作の映画)
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予備知識もなく鑑賞したが、こんなに変な映画だとは思いもよらなかった。映画として完璧だとは思わないし粗はありまくりだが、鑑賞後の味わいは間違いなく唯一無二。
今作はツッコミ所満載だが、特に前半は酷い。自殺を考えてた人が直後に笑顔で友達の自撮りに参加しようとするのは流石にあり得ないし、潔さすら感じるご都合主義の極みのような展開のラッシュで「この映画大丈夫か?」と不安な気持ちにさせられるが、鈴木Q太郎が出てきた辺りから段々そのツッコミ所に対する不安は消えていった。主演はAKB48の4人であることからアイドル映画として枠組まれていると思うが、製作陣がとりあえずやりたいことを詰め込んだような散らかりっぱなしの様々なアプローチは嫌いではない。ホラー、スリラー、MV、青春。そしてエンドロール後に待っているオチは大爆笑。もう変度が限界突破していて、黒い車が出てきた時には声を出さずに笑うのが大変なほど。
ここまで書くとポンコツC級映画のように思えるが、登場人物が抱える傷などは非常に現代人に寄り添った形で良い。人の価値観は人それぞれ、何を尊敬して何に傷つくのかも人それぞれ。昭和的な価値観から令和の価値観への転換を訴えていたように思う。
という訳で点数はつけられないけど、決して嫌いではない。
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