TaiRa

呪怨のTaiRaのレビュー・感想・評価

呪怨(2002年製作の映画)
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地味にオリジナルビデオ版の続きになってるのが企画として誠実なのか何なのか。OVの話題ありきだったのが分かる。

奥菜恵が例の家に行って俊雄と出会う辺りは正攻法。あの家の狭っ苦しい感じをまず紹介。昼間でも怖い家に見えるライティングの加減とか改めて上手いと思う。全編通して「見えちゃいけないものが見えた」時の恐怖が上手い。画的には映り込みの形。視界の端に何か見えちゃった人の芝居が丁寧。幽霊そのものをガッツリ見せる手法は踏襲しつつも、その前提で繊細な恐怖表現を考えてたのが垣間見える。伊東美咲の会社から自宅までの幽霊ストーキングは段階の踏み方が面白い。ちゃんと部屋番号を確認する伽椰子。兄だと思って扉開けちゃった後の「やられた!」感が共有されてて面白い。あの場面で何の説明もなくアイツが家に入って来た、と分かるのが良い。布団に隠れつつ取り敢えずテレビつけてみる感じは、幽霊に対して特に何も出来ない人間のリアリティがある。田中要次が一人で監視カメラの映像見ちゃう時に画面内の伽椰子から逆に見られる展開、田中要次が目を逸らしてからもう一度画面を見るとまだ伽椰子が見てるってくだりが怖いし最高。あの家に関わると時空が歪むってコンセプト、続編で大爆発するけど今作のも意外性があって好き。奥菜恵が呪い殺されるまで数年放置されてたのは謎だけど伽椰子も色々忙しかったのかな。
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