トールキン

コンクリート・ユートピアのトールキンのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
3.9
最初から最後までずっと胸くそな感じでこの胸くそ感、憂鬱感は韓国映画独特だなあと改めて思わされる。この手の映画ならではと言うような良い意味で気分が落ち込む内容。

生半可な正義感をかざしても所詮は集団心理、同調圧力によってかき消される。ならばその場の雰囲気に同調せざるを得ない。
共存か、あるいは排他か、自己防衛とは言えもはや理性や人間性も失いつつあり、それが人間としての生存本能であるとしてそれに従うしかないのだろうけど、自分がもし実際にこんな状況に置かれたらどう振る舞えるか、ずっっとそんなことを思いながら見てた。
「結局のところ人間が一番恐い」系の作品は過去にも多数存在するけど、改めて見てやっぱり恐くて、悲しくて、儚くて、虚しくて、そんな負の感情が次々と沸き起こってくるような感覚になる。

さらに、個人的な解釈として、最後の最後にあるやり取りこそこの作品の本質的な部分や意味合いを示しているのではないか、と強く思えた。
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