あまんだ

コンクリート・ユートピアのあまんだのレビュー・感想・評価

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)
4.3
原因は不明だが、突然の大災害で荒廃した地。そこに、たった一棟残ったアパートで、安息の地を求めてその権利を奪いあう人々のディストピアもの。
それと同時に、ある事件をきっかけにアパート全体のリーダーとなった男性には秘密があり…と、ミステリー要素もありつつ、生き残るために、平素からは考えられないような過激な考えへ傾倒していく人々と、それに疑問を抱く人々との対立をも描く、ヒューマン物の要素もある。
アパートが主役であり、荒廃した世界において、暑さ寒さを凌ぐライフラインであるのと同時に、人々のヒエラルキーを表す重要な役割を果たしている。
しかし、物語が進み、キーマンである、謎を抱えた男、イ・ビョンホンの真相が明らかになるに連れ、アパートは、逆に悲劇を引き起こす要因ともなり得るものになる。
家は、幸せの象徴ではあるが、幸せそのものではない。ただ、気持ちの安らぐ居場所であり、家族などが集まる想い出の箱やから、それ自体が大事やって錯覚するだけで。
昔観た、「霧と砂の家」)こちらも家を発端とした事件が起こる傑作)を、彷彿とさせる。
ほんまは、そこで、誰とどのように暮らしたのかって事が重要なんやろな…。
結構それを考えてたら、ずんとなる感じの話。
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