メッチ

ハロウィン・キラー!のメッチのレビュー・感想・評価

ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)
3.2
笑ってしまうけど入念に考えられている。コメディとスプラッターとSFが見事に混ざり合った作品。

パッケージをみただけでもお分かりの通り、冒頭は『ハロウィン』のパロディ。1987年のハロウィンの日に覆面の殺人鬼によって、学生3人が犠牲となる。それから35年後の現代に再びその悲劇が…、という流れがまさにそれ。
それに、同じ覆面つながりで、『スクリーム』の要素を織り交ぜていたことも面白い。

しかし、スプラッターホラーのパロディだけかと思わせておきながら、突如『バック・トゥー・ザ・フューチャー』のパロディが始まるのも興味深い。それをやってのける心意気は、荒々しさを感じつつも、見事と思ってしまったのは否めません。

この『バック・トゥー・ザ・フューチャー』についても、パロディをやっておきながら、本家のタイムトラベルの概念の一部を否定しつつも、違う部分については肯定するようで、やりたい放題やっていた気がします。

例えば、過去に変化点を起こすと現代にも影響すること。その影響が大きければ存在した人もいなかったことになるという概念的なことは、登場人物が言っているぐらいこの作品では否定しています。
でも、本家の『ツインパインモール』から『ローンパインモール』にショッピングモール(駐車場)の名前が変わるような、ほんの些細なことは自然とやっている。注意深くみていないと、「変わったけど、変わる前はなんだったっけ?」となったりしますが、本家のようにお話の大筋に影響する程度ではないところは、敬意があって作っているように感じます。

パロディ映画は、ただ面白く作ればいいようにも感じますが、元になる映画の後をなぞらなければならないというデメリットも同時にあるかと思います。
でも、元になる映画へのリスペクトが徹底していれば、それだけでもなんだかいいものをみていたのではないか?と、思わせるものはあるのかと感じました。
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