ろいろい

ネバーセイ・ネバーアゲインのろいろいのレビュー・感想・評価

2.9
💠favorite line💠
"Never again."

🎞️story&information🎞️
世界征服を狙うブロフェルド率いるテロリスト集団“スペクター”により、核弾頭を搭載した2基のトマホーク・ミサイルが盗まれた。
スペクターはミサイルを利用してNATO加盟諸国を脅迫する。
ブロフェルドの野望を潰すため、諜報員ジェームズ・ボンドにミサイル奪還とブロフェルド抹殺の指令が下る。
さっそくボンドはスペクターの一員である大富豪ラルゴがいるバハマへと飛ぶが――。


監督はアーヴィン・カーシュナー。

ワーナー・ブラザース提供で主演は初代ボンドのショーン・コネリー。
なのだけど、この作品も権利関係の混乱による産物なので本家にカウントされない。

タイトルの由来はミシュリーヌ・コネリー(コネリーの妻)が、
007復帰オファーの回答を迷っていた夫に言った言葉「もうやらないなんて、そんなこと言わないでもう一度おやりなさいな」からつけられた。

原作は1961年に出版されたイアン・フレミングのジェームズ・ボンド小説『サンダーボール作戦』と言われているけど厳密には違う⚠️
最後に記載してます。

🎞️review🎞️✐✐✐✐✐✐
1983年に上映されたスパイ作品。

1983年と言えばロジャー・ムーアの007/オクトパシーが公開されていた年。
何故007が同時期に二つ公開されたかと言うと……少々長くなるので最後に書きます。

番外編という位置づけのため、
お馴染みのオープニングシークエンスや「007のテーマ」は劇中一切流れない。
コネリー自身も当時は53歳ということもあり、腹もでてるし老けている。
元々キレの無かったアクションも更にキレが悪くなっていて残念だった。

とは言え、そこは流石名優ショーン・コネリー。
ウィットに富んだ会話とダンディズムから溢れ出る大人の余裕でカバーしていた。

ただ、ストーリーが一言で言えば"退屈"。
一応リメイク元の「サンダーボール作戦」であった見づらい海中での乱闘は改善されているため、こっちのほうが見やすいという人もいるかもしれない。

あれ?見たことある顔だな?
と思った人がいて調べてみたところ、
「Mr.ビーン」で有名なローワン・アトキンソンのデビュー作が本作なのだそう。

007本家シリーズを全て見終わってまだ見足りない人は本作を観てみてもいいかもしれない。


以下余談。
さて、何故同時に007が2つあったかと言うと…時系列では以下の流れるなるとのこと。

元々の原作は、イアン・フレミング、ケヴィン・マクローリー、ジャック・ウィンティンガムの共同執筆による映画化用脚本『James Bond, the Secret Service』だった。
しかし、フレミングが2人に無許可で、この脚本を元に『サンダーボール作戦』として小説化。
これに怒ったマクローリーは訴訟。
結果はフレミング側がスペクター、ブロフェルドの出版物の続編権、マクローリー側が同様の映画化権を分け合い小説の共同著者としてクレジットすることで1963年に和解。
※この裁判が影響して『ゴールドフィンガー』ではスペクターを登場させられなかった。

映画化権を取得したマクローリーは、ワーナー製作で主演の007映画の制作を発表したのだけど、プロデューサーとの交渉の末、以後10年間はマクローリーによる007映画の製作はしないことで決着。

そして、その10年後にマクローリーは、コネリーに話を持ち掛け、『サンダーボール作戦』のリメイク版『WARHEAD』の脚本を執筆し、映画化に乗り出したのだけど、イーオン・プロダクションズ(本家007制作会社)の親会社の提訴で計画は頓挫した。

80年代に入り、コネリーは妻の言葉を受け、ボンド役への返り咲きを決意し本作を作った。

つまり、本作は厳密にいえば、『サンダーボール作戦』のリメイクではなく、映画用オリジナル脚本『James Bond, the secret service』改訂版の映画化。
小説『サンダーボール作戦』も『James Bond, the secret service』の小説版ということになる。

ちなみに
本作は共演者、製作総指揮、総監督、脚本、最終編集権等、スタッフの人選に至るまで、全ての部門に於いてコネリーの人脈と意思を反映した「コネリーのコネリーによるコネリーのための」プライベート作品と言われていて、
大手のスポンサーを持たない&1人の俳優のインディペンデント作品として考えれば、類を見ない規模の作品らしい。

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story:amazon prime参考
information:Wiki参考
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