成田007

ネバーセイ・ネバーアゲインの成田007のレビュー・感想・評価

4.5
007を好きになったのはいつだったか覚えていない。好きになった理由もよくわからない。よく、007のどこが好きなのと聞かれるのだが、うまく答えることもできない。

初めて見たときは、正直なところ古臭いと感じてしまった。現実離れしたストーリーについてけなかった。

しかし、シリーズを順に見始め、全てを見終わったときには夢中になっていた。それから何度も何度もシリーズを見返していき、いつの間にか007は自分になくてはならないものになっていた。

彼の立ち振る舞い、生き方に惚れて、あんな風になれたらいいなと思う。一人の人物として全てが好きだから、具体的にどこが好きと答えることができない。

今まで6人の俳優が演じてきた007。ダニエル・クレイグやロジャー・ムーアもいいけど、007といえば初代のショーン・コネリーが歴代で一番かっこいいと思う。

1作目ドクター・ノオの初登場シーンは衝撃的で、いつ見てもかっこいい。なんでもないシーンでも、絵になってしまう立ち振る舞いがあったからこそ、007というキャラクターが愛され続けていると思う。

今作は公式の007シリーズではないですが、ショーン・コネリーが最後の007を演じた記念すべき一本。ドクター・ノオが公開されてから約20年の月日が経ち、若さはなくなっている。しかし、数々の修羅場を乗り越えてきた経験と老練の魅力が光っていて、他の007では見ることができないボンドの人物像が描かれている。

このころ本家の007はロジャー・ムーアが演じていて007はコメディタッチなものが多かった。今作が日本で公開された同年には「オクトパシー」も公開されている。

今作は初期の007のような昔ながらのセックス&バイオレンスがふんだんに取り入れられて、懐かしい気持ちになった。

多くの美女が登場し、その美女を007が魅了する。そして、それを見ているこっちも魅了され、あんな風に生きて見たいと憧れてしまう。また、次から次へと襲いかかる危機をド派手なアクションで乗り越えてしまう力強さは、男としてかっこいい。

今なお続くロングシリーズの007。今後も時代の変化とともに007も変化していき、続いていて欲しい。そして、100周年を見るまでは自分も死ぬことはできないと強く思う。
成田007

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