雨宮はな

アーバンクロウの雨宮はなのレビュー・感想・評価

アーバンクロウ(2023年製作の映画)
4.0
「自分を大切にする」「周囲に助けを求める」
でも、それって、その方法を教えてもらった人間しかできないって、知ってた?
主人公とヒロインを目で追いながら、そんな声をきいた気がした。

日本人はきれいなゴミをため込むけど、大切にしないといけないものが汚れたり手入れが面倒だとわかったらすぐに捨てる。
それが血のつながった相手であれ、赤の他人であれ同じこと。
愛について考える軸を持たず、また、倫理観の無い種族が口にする愛は自己愛ばかりだ。

「見守る」という言葉のなんと便利なことか。
聞こえをよくして「母親が娘のためにやった」という背景をつけるだけで、それはまるで愛による言動にみえるのだから恐ろしい。

そして、なんといってもラストシーン。
あの表情を見て「どっちなの?!」と思わず声が出た。
この映画を観た人の感想を聞きたいし、何を読み取ったのかを語り合いたくなる。

アーバンクロウ(urban crow)、「都会のカラス」。
神様の使い(吉兆)としての意味よりも、電子的で知らない間に見られているという暗喩に思えた。
雨宮はな

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