とりん

機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション 遥かなる暁 HDリマスターのとりんのレビュー・感想・評価

3.5
2024年10本目

特別総集編のHDリマスター第二弾。
前作で駆け足なのは分かっていたが、本作はさらにそれを感じさせる。個人的にガンダムSEEDの中でも特に感情が迷子になった悲しくも辛くもあったニコルとトールの戦死する場面は結構あっさりしてる気がする。それも総集編ではキャラの深掘りができないからか。
あそこは間違いなく作中でも大きなターニングポイントとも言える場所。キラとアスランは元々旧友ではあるけれど、戦場で再開し立場上戦うしかない運命にある。親が司令官であり覚悟を決めて自ら戦地へと足を踏み入れたアスランとは違い、キラはたまたま戦争へと巻き込まれた一般市民で友達や守るべき人のために戦っている。もちろんそれなりの覚悟はあるだろうけど、流れから戦いに身を置いたとも言える。しかしその大事な友を失うことによってアスランへ戦争への明確な殺意と憎しみへと変わる。これはアスランも同じでキラにはどうしても一線を引いてた仕方なさがあったが、ニコルを殺されたことによる憎悪が彼を加速させた。これだけのシーンを本作によって思い出すのは容易だけど、初見だと難しい気もする。
そこを経て改めてこの戦争の意味を考え、2人が手を取り一緒に戦うシーンは胸熱でしかないのだが、これもかなり薄味になってしまってる。
とはいえ表面だけでも汲み取れるところは多く、終盤へと向かって動き出すのは読み取れるかな。
とりん

とりん