CHICORITA主任

機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション それぞれの剣 HDリマスターのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

3.2
SEEDシリーズ総集編マラソンも後半戦、DESTINY第2部です。

ユニウスセブン落下を機に再び戦争が勃発。中立国オーブも地球軍陣営へ参加し世界が二分される中、ザフト軍へ復帰しプラント側に立って戦うことを選んだアスランの視点で振り返る総集編。
…なのですが、見直してみるとアスランが一番のアホに見えてしまう構成に(笑)パルパ…じゃない、デュランダル議長の暗黒面のフォースに目を曇らされているからしょうがないのですが、キラがラクス暗殺未遂を伝えても「でも議長の仕業じゃないかもだし!」とDV彼氏を庇うような言動をとってしまうアスランにはキラもとうとうブチギレてセイバーをダルマに刻みます。

そのキラも、オーブの代表ながら母国が地球軍陣営に与することを止められなかった姉(妹)カガリの願いを叶えたい気持ちはわかるのですが、劇中でも指摘されるとおり彼女の戦場は政治の世界であって、MSで最前線に乗り込んで力づくで戦闘停止をされるというのはかなりズレてるよなーと思わずにはいられません。

オーブがらみでいえば、ユウナを単に悪辣なキャラにしてしまったのも失敗と思えて、彼も彼なりに祖国を思って苦渋の決断を強いられているんだという描き方にしておけば、もう少し深みも出せたのではないかと。

シンの出番は後の悲劇に繋がるステラ絡みのシーンにほぼ限定。あからさまに出番が減らされており既に気の毒な感じに。

総じて上手くまとめてはあるのですが、元々の展開の無理のある部分、欠点も目立つ形に。素材はいいだけに、つくづくSEED DESTINYはもったいない作品だったのだと実感する一本でした。
CHICORITA主任

CHICORITA主任