【映像叙事詩】
※「A24の知られざる映画たち presented by U-NEXT」特集
結構低評価で始まったが、徐々にスコアが上がってきてる。
僕は結構見入ってしまった。
A24の凄さは、こうした実験的映画に臆せずチャレンジする余地を残しているところだと思う。
歴史を揺るがすようなイベントはなくても、やはり、これは叙事詩だ。
映像叙事詩だと思う。
背景には当然、アフリカから連れてこられた人々の苦難に満ちた歴史があり、だが、映画として、その暗い部分に直接的に触れずとも、清貧な暮らしから逆に逞(たくま)しささえ感じるストーリーだ。
美しいとは何か。
ここに描かれた人々と調和する風景も確かに美しい。
だが、それは見た目だけのことではないだろう。
水は雨として降り注ぎ、川になり、雪としても積もり、人の一部にもなり、また土を潤す。
全ての土の道はしょっぱいとは、こうした人々の長く生き、耐え、垂らした汗水や、土に返った人々の身体に混じった塩分の味だということではないのか。
とても示唆的で美しい作品だと思う。