櫻イミト

ソドムとゴモラの櫻イミトのレビュー・感想・評価

ソドムとゴモラ(1961年製作の映画)
2.5
旧約聖書「創世記」に登場する堕落都市ソドムとゴモラの崩壊の物語を翻案したB級スペクタクル史劇。アルドリッチ監督が「何がジェーンに起こったか」(1962)の前年に制作。

※Filmarks未掲載のリチャード・ハリス主演「ソドムとゴモラ」 (1994 原題アブラハム)とは別物。本作にアブラハムは出てこない

指導者ロト(スチュワート・グレンジャー)が率いる放浪の民ヘブライ人。辿り着いた都市”ソドムとゴモラ”の女王ベラ(アヌーク・エーメ)は、外敵に対する深慮遠謀により彼らを迎え入れた。一方、王座を狙う女王の弟は、密約を交わしている騎馬民族へラム族の大軍勢にソドムとゴモラを急襲させるが。。。

オープニングの美術とカメラワークが抜群に好みで大いに期待したが、見所はそこまでだった。アルドリッチ監督自身が「愚作」と後述しているとのことで思い入れもなかったようだ。聖書系のスペクタクル史劇として「十戒」(1956)や「ベン・ハー」(1959)と比較すると、本作のシナリオは信仰にまつわる人間ドラマが殆ど描かれておらず表面的な娯楽作で終わっている。残念な一本。

なお本作では、聖書でのアブラハムの立場がが息子ロトに置き換えられ、ソドム王ベラの性別が男から女に変えられている。

※クレジットにはセルジオ・レオーネ監督の名があるがクランクイン直後に降板している。
櫻イミト

櫻イミト