Jeffrey

出獄のJeffreyのレビュー・感想・評価

出獄(1948年製作の映画)
3.0
「出獄」

本作は1948年にヘンリー・ハサウェイが監督した作品で、事件の背景となりマフィアや移民問題、警察内部の腐敗にもメスを入れたノワールの秀作として有名だ。この度、DVDにて初鑑賞したが面白い。どこかセミドキュメンタリー的な雰囲気をかもしだし、いっそうリアルな語りの影響が加わる。撮影機材の軽量化や少ない照明で撮影可能になったフィルムだなぁと思える1本である。今思えば40年代後半のノワールにも新たなそういった1連の作品が実際にあった。本作も冒頭に、実話であり、実際の場所で撮られたと観客に教えてくれているし、画面に映る構図、犯人とされる息子が初めて画面に現れる際の場面などは印象的だ。さて物語は、1944年のシカゴタイムスに32年11月に起きたバンディ巡査殺害事件の真犯人情報を知るものに賞金5000ドルを出すと言う広告が出る。記者のマクニールが連絡先のノースサイド777を尋ねてみると、広告主は掃除婦のティリだった。彼女は巡査殺しの犯人として終身刑を言い渡されたフランクの母親で、息子の無罪を証明したいため11年かけて貯めたお金を賞金に当てたのだ。無実の罪で投獄された男を救うために奔走する新聞記者の姿をドキュメンタリータッチで描かれていく…と簡単に説明するとこんな感じで、実際に起こった事件をもとに制作されていて、極力事件が起こった周囲や環境を重視してとられているそうだ。
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