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メロスたちの010101010101010のネタバレレビュー・内容・結末

メロスたち(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

・こんな「作品」に結実するなんてまったく予期していなかったであろう。小さな分校の演劇同好会(役者3人、照明1人)の活動のごく初期から、図らずも撮り始められ、やがて演劇作品の中にまでメタに入り込み、そしてこうして映画作品にまでなってしまう…、というところに、まず驚く。こんなことあるんだ…。

・しかも、コロナ禍。生徒たちには、演劇を通して、見たことのない景色を見てもらいたい、と思って声をかけたものの、観客席には観客はいない(無観客)、という…。しかし、それすらも「作品」に取り込んでしまう。
・演劇の脚本、演出がメタ構造になっていて、虚実の境目が分からなくなっていくのが、とても引き込まれる。これって、演じてるのか、本心なのか、そのどちらでもあるかもしれない、という中でこそ、役者さんの迫真の演技が抜群に光るような作りになっているのが、とてもいい。切実さが、胸に迫ってくる。(特に、一人芝居!!!)
・そして、「演劇」によって確実に、彼らの人生が、ものの見方や考え方が変化している。
例えば順風満帆な中で「もともと演劇がやりたくて」演劇部に入ってくるような人には決してないような何かが、見える気がする。
・三人それぞれの進路…、自衛隊、介護士、役者、というのがまた面白い。
・「制服」の奇跡!!!

・劇中で三人によって歌われる校歌が、こんな風にグッとくるなんて、思いもしなかった。

・それにしても、この先生の存在の大きさ。それは、この先生が演劇の力を信じているからこそなのだし、また、そのことが、ここに出てくる人たちを繋いでいる。