Hiroki

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のHirokiのレビュー・感想・評価

4.0
早くも3月。
ベルリンが終わってフォローレビューも書きたい。
オスカーが近づいてきている。
ノミニー作品のレビュー書かないと。
いや2023ベストの残り作品もさすがにそろそろレビュー書かないとな。
そんなギリギリの中でこれです。
まずはこれ。
短めにこれいかせてください。

アニメシリーズの稲荷崎戦が終わってから4年。
やっと続きが、音駒戦が観れるという高揚と。
いやなんでアニメシリーズでやらないのよ!という想いと。
複雑な感情が絡まり合う中で公開され絶賛の嵐。
もーこれは映画館行くしかないなと他の観る予定の作品を全部飛ばして直行!

しかし失礼だけどまだここまでハイキュー!!にパワーがあるなんて。
2週目までの興収は41.8億円で、ガンダムもゴールデンカムイも鬼滅もぶっ飛ばして早くも2024公開作で首位。
凄すぎる。
例年の「コナンまでは無風」状態に風穴を開ける快進撃。
いやーどこまで行くか楽しみですねー。

内容は上でも触れた通り、前回のアニメシリーズ4期で春高2回戦の稲荷崎戦までが終わっていたのでその続き。
みんなが待ち望んだ音駒戦。

この物語ってもちろん日向(と影山)が主役なんだけど、裏主役として存在しているのが研磨。
それは陽として描かれる日向に対して陰としての研磨。
スーパーオフェンスの烏野に対して繋ぐディフェンスの音駒。
空中を縄張りとする烏に対して地上を縄張りにする猫。
全てが陰陽で描かれている存在。
だからこそアンチ研磨っているみたいなんですけど、私は1番くらいに好きなキャラクターなんですよねー。
やはり陰を生きてきた人間って研磨に惹かれるんじゃないかなー。

内容的には烏野vs音駒の1試合を研磨の回想を入れながら描くという『THE FIRST SLAM DUNK』スタイル。
主人公ではない人物に焦点を当てているのも同じ。
ただFIRST SLAM DUNKでは元々はなかった宮城リョータの物語が描かれているのに対して、今作は基本これまでの研磨の物語が再構築されている。
私はFIRST SLAM DUNKでの急な宮城のキャラクターとかバックグラウンドについていけなかったけど、今作の研磨は原作ファンも受け入れられる物語だと思う。
ただ研磨と日向の物語が主軸になっていて、烏野の他のキャラに焦点がほぼ当たらないのでそこらへんのファンの方はちょっと物足りないかも。
ただその中で唯一くらい躍動するのが影山。

まー日向と研磨を陽と陰と言ったけど、元々は日向と影山が太陽と影というモチーフなわけで。
バレーボールにおいてセッターという陰でチームを支える人への愛が強いですよね。
古舘先生は現役時代はミドルブロッカー(日向のポジション)だったみたいだけど、セッターのありがたみというのを隣で感じていたのかなー。

あとはアニメーションになった事での素晴らしさ。
やはり動きがあるスポーツモノ×アニメーションの相乗効果は凄い。
特にラストの研磨視点の演出。
たぶんアニメシリーズでは使ってなかったと思うけど、ここで奥の手を出したかーと震えた。
これこそアニメでしかできない演出で、あの時の研磨の心情や身体が悲鳴をあげている状況が痛いほど伝わってきた。

でも何度も言って申し訳ないけどやっぱり研磨なんだよなー。
やっぱりわかってても「たのしー」からの日向のガッツポーズも、最後の「俺にバレーボール教えてくれてありがとう」も泣く。
なにより「ゲームオーバーよりゲームクリアの方が悲しい」っていう研磨の気持ちにとてつもなく共感してしまう。
最初はクリアが目的でも実はクリアするために何をするかを考えて、実行して、跳ね返されて、また別の道を考えて実行する。
そのプロセスこそが楽しい。
だからゲームオーバーは終わりじゃなくて始まり。
この試合で研磨のバレーボールがまた始まったんだと思うと涙が出る。

そしてポストクレジットで現れる“新小さな巨人”星海光来。花江夏樹見参!
次の鴎台戦もやってくれる事に歓喜!
また映画ですよねー。
楽しみに待ちます!

2024-5
Hiroki

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