ぜにげば

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

あ、あれ…?お、面白くなかった…何で?
いや…うん…面白くなくはないんだけど…いや面白くなかったか…?

第1セット終わるか終わらないか辺りでふと、「あれ?全然面白くない」って我に返る瞬間があった。
ずっと没入できなかった。
自分ハイキュー好きな自覚があったんだけどなぁ…。
なんか、改めて「自分ハイキュー好きじゃないかも」って思った。

スラムダンクという絶対的な作品の後に生まれた人気スポーツ漫画なだけあって、寄せるところは寄せ、避けるところは避けて、オリジナリティもありつつ王道を進み、黒子のバスケほど超次元にはせず、かと言ってオリジナルの名前が付くような技とかは何個か登場させ差別化も計ってて凄く上手くて面白い作品…という印象だったけど、あれ?

漫画もアニメも全部見て、かなり期間空けて復習無しで見たのが良くなかったのかもしれない。
まずノリがキツかった。
漫画を読んだ時は自分の好みのテンポ感テンション感で読んだからそこまで気にならなくて、アニメで見た時は最初はキツかったけどチューニングを合わせていって途中から気にならなくなったって感じだった気がする。
ノリの中でも特にドヤ感が本当にキツくて観てられなかった。
過去の自分がどんな感想を書いてるのか気になって1期1話目のコメント見返したら「ドヤ顔がキツイ」って書いてて、感性は変わってないっぽい。

前見た時に感じてなかった事としては、キャラクターの動物メタファーがこんなにも安直で記号的だったか?ということ。

あとずっと地味だった。
どこで盛り上がればいいのかも分からなかったし、最後の見せ場であろう研磨一人称視点も、人間の視覚には思えなくて、めちゃくちゃ“カメラ”だなと思ってしまった。
もっと魚眼ぽくしてくれれば研磨視点だと思えたのだろうか。

原作を読んだ時は哀愁漂うというか、ポジティブな意表を疲れるような呆気なさを抱いた記憶があるけど、この映画を見た自分の感想は、「本当に呆気ないじゃん」だった。

楽しめなかった要因としてもうひとつあるのが、試合の合間合間に回想やネット越しの記号的なイチャつきを見せられて没入感を削がれたってのがあるかな。
これに関してはTHE FIRST SLAM DUNKの時ですら思った(どうやら少数派らしい)から人一倍気になっちゃう体質らしい。
そういうシーンを挟み込むのはバスケよりも自然なスポーツではあると思うんだけどそれでもダメだった。
SLAM DUNKはそこ以外ほぼ全てが常軌を逸した良さだったけど、今作にはその良さはなかった。
作画の良さが際立ったかと言われれば、それはNO。(ウマ娘の予告編の方が楽しかったな)
鬼滅以降ブームの映画で続きやろうシリーズの中でも、安定感はあれどアクション的な意味合いでの作画の見せ場はなかった。
偶にボールに乱されたレシーブしてた選手の腕の動きかっこいいなとか、サーブの動きかっこいいなとかはあれど、それはアニメの頃から同じクオリティだったし、目新しさはまじでゼロ。
タイマーがあるスポーツじゃないから「原作者の時間感覚凄すぎだろ」って感動も味わえない。

SLAM DUNKが公開される前だったらなとすら思わなかったし、俺って本当はハイキュー好きじゃなかったのかなぁ?
なんか悲しい気持ちになった。
100億ペースだから期待したのが良くなかったのか。
まあ、また原作を読む機会は来るだろうし、その時改めて自分がハイキューのこと好きかどうかジャッジすればいいか。
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