しの

映画 マイホームヒーローのしののレビュー・感想・評価

映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)
2.7
ワーナー・ブラザース映画から招待頂き試写にて鑑賞。自分はドラマ未見だし、そもそもこういうザ・ジャンル映画な邦画をあまり観ないが、最近のトレンドは「とにかく展開させて飽きさせない」なのだなと理解。他にも津田健の狂人演技などキャッチーな点はあるが、何よりその一点に頑張りが見えた。

丁寧な説明があるのでドラマ未見でも全く問題なし。犯人目線で刑事にバレるかバレないかのサスペンスをやるのかと思いきや、ヤバい組織に目をつけられて日常が侵食されるサスペンスに移行し、さらに……という展開の速さ。だから登場人物の察する能力や思い切りが異常に良いことになっていて笑う。鑑賞後にプレス資料を読んだが、まさにジェットコースター感を与えることがコンセプトの一つだったらしい。正直「こんなことになるか?」「なんだこの状況?」みたいな部分は無数にあるのだが、形式的に楽しむようなシチュエーションの釣瓶打ちにしているので、割り切って観た。

結末は意外にも納得できる落とし所。正直、邦画的な過剰にウェットな台詞と演出で見せるシーン(とはいえこれも形式的ではある)が多かったので、最後もヌルく終わらせるのかと思ったら、ウェットでありつつ軽薄にならない感じだったので、そういうこともするんだと思った。

あと特筆すべきは津田健次郎の狂人演技と良すぎる声だろう。これも“狂人演技やってます”感はあるが、全ては形式としてお出しされているのでノっておこう。電話口からいきなり聞こえる津田健ボイスが良い声すぎて笑う。総じて、今の大衆が求めるエンタメの形を知る機会になった。
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