hiroki

映画 マイホームヒーローのhirokiのネタバレレビュー・内容・結末

映画 マイホームヒーロー(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

7年前、娘の彼氏を殺した鳥栖哲雄。娘と家族を守るために犯した罪を隠し生きてきたが、ある日土砂崩れによって死体を埋めた場所から白骨遺体が見つかってしまう。

冒頭から主人公が犯した罪が明らかになるので、ミステリー性は皆無。サスペンスというよりは家族愛を描いた人間ドラマといった感じの作品だった。

哲雄が殺した彼氏が暴力団関係者だったことから、家族や哲雄自身に危険が及ぶ展開になるが、特に目新しさは感じなかった。警察内部にスパイがいて、重要人物が殺されてしまったり、家族が人質に取られて脅されたり、よく見たことがあるような展開が続いた。そんな中でインパクトがあったのが、暴力団組織「間野会」の幹部「志野」のクレイジーなキャラクターだった。大ヒット映画「レオン」でのゲイリーオールドマンの演技を彷彿とさせるような異常さがあった。

ストーリー的には特に褒めるところも貶すところもないような普通の作品だったが、家族愛をテーマにしているというだけで、グッとくる場面があって、不覚にもラストシーンでは涙腺が緩んだ。やってはいけないことはどんな理由があろうとやってはいけないが、「愛する人のため」という理由がそこに存在するだけで見方が変わってしまう。ここに人間の美しさと怖さを感じる。

「愛する人のため」は麻薬だ。
hiroki

hiroki