幽斎

キリング・ライオネル クズ男に死の制裁をの幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラーをレビューする、Scavenger第48界。原題「Killing Lionel」ライオネルを殺す、流石イギリス英語、正にその通りで御座います。AmazonPrimeで299円鑑賞→現在は0円に値下げ(怒)(笑)。

アマゾンは「2023」だが、制作は2019年とアマプラ謎映画では寧ろ新しい。何時もの高校の部活並みのカナダでは無く、本作はイギリス産TVムービー。イギリスの場合はアメリカに較べチャンネル数も少なく、日本で言うサスペンス枠も少ない。プライムか深夜枠で予算も違うので、クオリティにもバラツキが有るが、本作はスカベンジャーでは並の部類。しかしAmazonは強気の有料設定、しかし今は0円に、何でや!(笑)。

TV-14なのでプライム枠と思われるが、安定と絶望の「itn distribution」20本見て1本当たれば御の字と言う別名ホームランバー映画の中では本作は「ハズレ」と言える。Carly Barnes演じる妻のピーチズに暴力を振う「腐れ、DV、デブ」三拍子揃ったライオネル役Darren Lakeがギャングの組織に命を狙われる。敢えてカッコよく横文字にしたが、誰も知らない俳優ばかり(笑)。ギャングが出て来るのがイギリスらしくシュールだが、妻との組んず解れずの喧嘩とか、気合と言うか真剣さが伝わるのは、カナダには無いテイスト。

演出の構成も単にヴァイオレンスを煽るアメリカとは違う、イギリスらしくジョークだったり、驚いたのはアニメで説明するほっこりポイントが有ったりと、日頃からスカベンジャーに毒されてるのか、脚本の構成も分かり易く無名の俳優でも、キチンと「お芝居」を見てる気にさせるのは、映画やテレビより演劇の方が格上と言うイギリス魂も少しは感じた、少しね(笑)。日本のトランスワールドアソシエイツが珍しくジャケ写に「もはや我慢の限界!」サムネを付けてる事から本気度も少しは伺える。

アマプラ謎映画に流れ着く程度なので、普通のクソ映画としては平均点。30分程度の脚本を放送を埋める為に2時間枠に拡大。会話をクレープの様に薄く伸ばしただけなので、C級映画にしてもテンポの悪さが目立つ。イギリスの公式サイトは87分だが、Filmarksは91分はナゼ?(笑)。三拍子揃ったクズ男がどれだけ凄いのかと思ったら、ソコは上品なイギリスのTVムービーなので、アメリカ地下映画みたいなモンスターではなく、単なる小汚いデブなので、何でギャングに始末を頼むのか、ミステリー感の無さは初めて聞いたTim Thorne監督、実は長編デビュー作と知って妙に納得。

3拍子クズ男に同情の余地は無いが、心優しい方なら何だか可哀想にも見えるかも。イギリス映画に期待したヒネリの在るオチと言う訳でも無く、無難な着地点と言うのは予算の都合で致し方無いか。ほうれん草のおひたし的な箸休めには丁度良いかも。

「もはや我慢の限界!」と視聴者の方が怒鳴るほどでも無いので、暇潰しに為るかも。
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