5軍の控え

REBEL MOON ー パート2: 傷跡を刻む者の5軍の控えのレビュー・感想・評価

1.0
前作が基礎がボロボロなので、
上にどんな建物を建てても欠陥住宅が出来上がるだけです

元々ポンポン仲間も増えたり、特にそんな苦労も無いのに
「さあ戦いだ!」みたいな感じになられても
特にカタルシスも感じません

この監督は、政治や共同体などの社会の在り方を考えないまま
戦争を描こうとしているので
その時点で作品に無理がある感じがしました


まず、冒頭の前作のあらすじを聞いてるだけで、やはり笑ってしまう
ショッカーが幼稚園児相手に食いモンよこせと
凄んでいるレベルの帝国軍

パート1では主人公がノーブル提督を倒したラストらへんに
「この軍(敵)は勇猛ではないから提督が死ねば艦隊は引き上げるはず」という
よくわからない憶測でものをしゃべってた気がしますが
今作は「提督が死ぬと軍は引き上げなければならない法律がある」とかいう
パート2で初めて聞く、寝耳に水の
取って付けたようなご都合法律を根拠に、
提督は倒したから「脅威は去った」とか言ってるが、
だとしても、一度帝国に刃を向けた村が
恒久的に安心できるとは思えないんですが

だって帝国ってデカいんでしょ?
代わりの提督連れてくりゃまた危機の到来
ノーブル提督が生きてようが死んでようが
その程度で一件落着な訳ないでしょ
しかし、こういう法律って実際にはあるのかね?
次の階級が引き継げばいいだけじゃ・・・

以下ネタバレ↓






まず、前作のラストで倒されたそのノーブル提督、
権力に胡坐をかいてるだけの能力も無いこの凡庸な提督を
わざわざこんなに人手と技術を使ってまで復活させる価値があるのか不明?
そもそも作戦失敗してるわけだし

村に帰った傭兵(主人公達)と農民との会話も変
農民が「自分達は敵に立ち向かわず、他人に犠牲を頼むから面目ない」とか言って恥じ入り
傭兵側も「誇りを捨てて頼むのは勇気が要るから恥じる必要はない」とか
一見、ご立派な会話なようだけどちょっと的外れ

傭兵はOKを出してる時点で割り切れてるはずだし
共同体的に考えても、それぞれの職業にはそれぞれの役割があって
じゃあ傭兵に麦や野菜は作れるのですか?という話なわけで
そもそも正しさのために立ち上がったのだから
こんなやり取りのシーン自体、不要なはず
そんな無駄な時間があるなら他に使うべきです(スローモーション以外で)
それに、この後見てみると、農民も敵に立ち向かってるしねえ(笑)
何の会話だったんだ?

ちゅうか本来なら村人を守る役割はこの星の軍隊なのだが
そういやこの星に軍隊の概念あったっけ?
それ以前にこの星の国家形態が良くわからないのですが
なんか説明ありましたっけ?
前作で、あのなぶり殺された王様も、
星全体での立ち位置はよくわかんなかったし

もう序盤でこんなに書くことがあるなんて、先行きどうなるんだ(笑)?

そしてこの村にやっと定時連絡を入れる帝国
しかもワープができる弩級艦隊の割に無線機がローテク
フォールアウトの様な感じを出そうとしてるのなら
全然できてません

その無線により、艦隊が引き上げるどころか
逆に5日後に村に来ると知った主人公達

これにより村人と結束して戦う事を決意するんだろうなというのは
「七人の侍」をパクってる時点で分かるのですが
この短時間で、農作業を一緒にしながら7人が村人と交流し
結束する展開にするのはチト強引な気が

そして、この大宇宙時代に麦を手刈り?・・・
(しかもスローモーション撮影)
40年前のウチの田舎でもコンバインくらいあったぞ(笑)
苦労を見せたいのはわかるけど
この世界は、未来と中世の間が抜けてるの?(笑)

それから王族暗殺の回想のくだりも
暗殺を盛り上げるためのバイオリン連中が謎(笑)
「暗殺」なのに要らん証人を増やしてどうする?
あと、銃声を聞いても演奏を止めないという
どうでもいいスキルを身につけるために
このバイオリニスト達はどんなムダな訓練をしてきたのだろう?

それと、王族殺しの罪を主人公になすりつける計画なのに
すぐ主人公にガッツリ逃げられるというザルっぷり
何もかんも酷い

そうこうしてると無能なノーブル提督が意識を取り戻し
よく解らない難癖をつけ、健康を気遣う医者を殺し職務復帰
その胸に付いた傷を見て「傷跡を刻む者」として救国者となるみたいな、理屈としても良くわからない世迷言を言って
自分に酔ってしまい、寒くて手が付けられない

あと何?この「傷跡を刻む者」がパート2の副題なの?
テーマにするほどでもない気が・・・
しかもその傷口、ハーロックみたいな傷ならカッコいいのだが
丸くてカッコ悪い

そのカットが終わると再び農作業シーン(笑)
(スローモーション撮影)
そして何の確執も無く義務的な交流成功

その後、7人の侍たちの告白大会という形によって
いっぺんに全員のキャラクター説明をしようとするし
全体的に作り方がスゲーいびつなんですよね
しかも彼らの過去は少しだけ分かったけど
個々の能力が相変わらず わからない人が多い

そして、農民たちが完全な準備前に、ついに降りてくる戦艦
準備が間に合わないまま戦いに突入しなければならないというギミックかと思ったら、まあまあ間に合う農民たちの準備

到着後、颯爽と提督が大地に降り立つ
そして主人公に会ったら傷跡をサッサと見せちゃう提督
・・・あれ?今回の「テーマ」を見せてるのに
何の盛り上がりも無いぞ。おかしいなあ?
(そういうのってクライマックスとかでチラッと見えるもんじゃねーのかよ(笑)!)
むしろ見せびらかした事で小者感倍増

そして、そこに戦艦が下りることが分かってたかのように
その場所に穴を掘って潜んでたバズーカ農民
どうせなら提督も殺せばいいのに
そうすれば敵が帰っちゃう法律があるんでしょ?
それで終わりでしょ

あと、提督が急に馬鹿力なんですけど?
前作ではあんなにパワーなかったよね?
何なの?再生の時にパワーを手に入れたの?
説明がなさすぎだよ

そして大した作戦を立てなかったせいで
次々と自己犠牲してしまう7人の侍たち
村人との交流が強引だったせいで
イマイチ悲しみの様なものも薄い

何より戦い方が全員酷い!(笑)
やたらめったら突っ込んでるだけ
なんか、想像したベタな展開とも違う
役割の有る死に方じゃなく、基本、全員犬死なんだよね
戦略的ギミックっぽいのは最初だけで
あとは「うおぉぉぉ!」なんですよね
脳ミソ中山君
スローモーションだけが虚しく響き渡る

最後まで謎めかしてたあのロボットも
何となく出てきて、何となく活躍・・・う~ん・・・
一番知りたかった身にまとってたマントや
鹿の角のことは、永遠の謎(笑)

主人公達もザルチェックで弩級戦艦侵入
もちろん大したピンチもありません
あとはやりたい放題で戦艦落下

そして、敵戦艦が落ちたのを見計らってたかのように出てきた味方の戦闘機部隊
勝ち確を確認して現れたような不自然な登場の援軍が疑惑の参戦

そしてラスボス、お前が殺すんか~い
トドメは主人公だったけど実質あいつ

それと、先にも書いたけど、こんなんされて、
まともな専制国家(?)なら黙ってる訳ないと思うが
村人は何故、この艦隊を倒しただけで
ずっと村が安泰で収穫ができると思ってるのでしょう
視聴者はみんなヤバいだろと思ってると思うが

という事でとりあえずパート2見ましたが
C級映画専門学校卒の人が作ったくらいのC級映画っぷり

目玉である合戦自体が、村の一角で行われてるので
全体的にショボい印象

私はてっきり摂政まで倒す話になるのかと思ってたのですが
また同じショボい提督倒してお終いとは
どうせならラストでもう一回提督が助けられて、
2回目の復活して爆笑をかっさらって欲しかった
それなら☆3つだったかな

提督も何のために復活したのやら
思った通り「傷跡を刻む者」も特にテーマ性も無く
「七人の侍」をパクってるのに何の話かすら分からん作品でした



そして・・・


もしかしてPART3続ける気満々?(笑)・・・



もういいよ!面倒くせえええええ!!!(笑)
C級映画は見ちゃうんだよ



PS
まあでもスペースオペラは好きなジャンルなので
スペースオペラをやろうと思ったことは評価したいと思います
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