カトー

REBEL MOON ー パート2: 傷跡を刻む者のカトーのレビュー・感想・評価

1.8
コクモツウォーズ

ザック・スナイダーが持てる全てのスナイダーを注いだ渾身のフランチャイズ。Part1が期待を遥かに下回る残念すぎるクオリティだったので、本作もあまり期待しないで観たけど、やっぱりダメだった。

前半の穀物収穫シーンと強制的かつ機械的なキャラのバックグラウンド説明が退屈だし、後半のアクションシーンも魅せ方が下手くそで一向にアツくなれないまま終わった。一体ザックに何が起きたんだろうか。DCEUのゴタゴタでクリエイティビティが劣化したのか、はたまた今まで組んでたスタントチームやらスタッフをごっそり入れ替えてしまったのか... ネトフリと組んだAotDとこれといい、クッソつまらないぞ。

なによりスナイダーのシグネチャーだったスローの使い方が全くもって意味ないモノになってしまったのがショック。穀物収穫をスローにして一体何を見せたいのか理解できない。

『サッカーパンチ』の歪な性癖を呼び起こすナーディーなフェチズム、『300』のマッチョホモイズム、『ウォッチメン』で見られた異常なまでの虐げられた者たちへの愛情といったスナイダーならではの偏執的創作テーマを『レベルムーン』からは一切感じられない。スターウォーズへのコンプレックスとDCEUからの起死回生を狙ったような、無理やりにでも自分のフランチャイズを築きたいという歪んだ思想が溢れ出てしまって、過去作のような純粋な遊び心とクールさから成り立っていたスナイダーイズムはすっかり消え去ってしまったようで実に悲しい。つまらない大人になってしまったザック・スナイダーが向かう先には何が待っているのだろうか。
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