こっふん

アイアンクローのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

2024年 98本目

・自分は当時を知らない世代だが、80年代の味のある雰囲気が感じられる映像だった。プロレスの場面も迫力があってリアル。
・ザック・エフロンの仕上がり方がキレッキレでえぐい。
・作中描かれる一家の悲劇が、実際に起きた出来事というのが本当に信じられない。あまり調べずに観に行ったが、予想をはるかに上回るショッキングな内容だった。呪われた一家と呼ばれるのも納得できてしまう。
・一家に起こる悲しい事件を追っていく流れの中で、なぜ兄弟たちが自殺に追い込まれてしまったのかという原因、きっかけをもっと深く描いて欲しかったなと思う。割と結末だけが淡々と描かれていて、兄弟たちの苦しみがあまり伝わってこなかったように感じた。
・自分は父フリッツの強烈なプレッシャーが一家に悲劇をもたらしたのかと思っていたが、作中ではそこまで圧は見られず、息子たちはむしろ敬愛しているように感じた。兄弟に競争心を植え付けたり、チャンピオンの夢を託す描写はあったが、最終的には息子たちが自らプロレスラーの道を選び、ベルトのために闘っていた。
・フリッツの描き方にちょっと違和感を感じた。厳格さ、毒親さが中途半端で、ケリーの件でいきなりケビンを突き放すのもあまり脈絡がなかったように感じる。
・ケビンの弟に先を越される苦悩、家族愛、兄弟愛なんかはよく伝わった。
・天国で兄弟が再会するシーンには目頭が熱くなる。素晴らしい。あの場面はケビンの妄想だと思うが、実際に死後の世界がああだったらケビンも救われるだろな。
・個人的にもっと深掘りして欲しかったポイントはあったが、退屈せず楽しめた。
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