みーすけ

アイアンクローのみーすけのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.9
個人的な嗜好からかけ離れた所にある格闘技。
でも本作は何か琴線に触れるものがあり ずっと心待ちにしていたのだ。
大好きな『フォックス・キャッチャー』に通じる薄暗い匂いを感じてたんだけど…薄暗いどころか呪いだった。
お宅の玄関の下、坪に入った犬の首埋まってません?等と思ってしまうほど不幸が連続するのだ(実際はもう1人末っ子も亡くなっているらしい)
有害なマスキュリズムの権化的な父、 伝説のレスラー フリッツ・フォン・エリックの圧は息子たちの思考をスポイルし、体が不自由になろうとも勝負に拘らせるほどの追いつめぶり。
梯子を掛け、登らせ、そして外す。退路が閉ざれた息子たちの追いつめられ方は何とも観ていて辛かった。
ラスト、ようやく人前で涙を流す事ができたケビンに 呪縛から逃れられたのねともらい泣きしてしまった。
そんなケビンを演じたのは、誰おま級に容姿が変わったザック・エフロン。
レスリングしか知らないケビンは父親と家族の期待に応えるため頑張るのに、そこそこの才能なのがなぁ…。もごもごと不器用に話すケビンの静かな演技が素晴らしかったよ。ザック・エフロン、オスカースルーされたの何でかな??
あと、ドラマ『The Bear』(原題)でめきめき頭角を表してる期待のジェレミー・アレン・ホワイトも何ともいい仕事をしていた。
バイク事故後のさらっとした演出が衝撃。
兄弟みんな他にしたいことがあったんだろうな。
皆が集まるシーンは少しメロウ過ぎだけど、癒しがないとやってられないよね。
 プロレスってやらせあるの?位の知識しかないけど人間ドラマとしてとても深くて面白かった。
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