必殺技アイアンクロー（鉄の爪）を引っさげてプロレス界で活躍したフリッツ・フォン・エリック。
引退後はプロレス団体でプロモート業に勤しみ、自分の息子たちに夢を託した。
息子たちは父親の教えに従いトップレスラーへの厳しい道を進んでいくのだが・・・。
小学生時代、「全日派」だ「新日派」だと盛り上がり、TV放映を被りついて観て、「プロレススーパースター列伝」や「プロレス・スターウォーズ」といった漫画を喜んで読んでいたわけですが、本作で取り上げられるフォン・エリック一家の存在と、この家族に起こる悲劇ももちろん知っていました。
あの時代、彼らが何を思い、苦しみ、あのような道を選んでしまったのか、というのを改めて見せられ、なんとも言えない気持ちにさせられましたね。
本作においてやはり注目すべきは、キャスト陣の肉体の造り方で、ザック・エフロンはじめプロレスラーの肉体を造り上げていて感嘆。
また試合の動きも見事に再現しているので、その辺りのこだわりも凄い。
ブロディ、ハーリー・レイス、リック・フレアーなどなどオールドファンには嬉しい面々も出てきて、尚且つ舞台裏の会話なんかも観られるところもポイントですね。
しかしながら何故末っ子のクリスのことを扱っていないのか疑問。
このクリスもまた拳銃自殺をしてしまっているわけですが、その存在をないものとしてしまっているのは何か制作上の問題があったということなんですかね？
「呪われたファミリー」と呼ばれたフォン・エリック一家。
父フリッツが、息子たちにステロイドを薦めていたという話を聞いたことがあり、デビッドの内臓疾患もその辺りが要因とも言われていて、そうなると兄弟の死はドラッグが引き金になったと考えられるわけで、作中そこに触れられていないのも如何なものかなぁとは思いました。
