KeiRalph

アイアンクローのKeiRalphのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.9
再びの一時退院の限定映画鑑賞、そうなるとメジャー作品しか観られないのが大変残念ではありますが…とにかく、いっときでも劇場で映画を観られる事に感謝して、朝も早よから本作鑑賞。

かれこれ40年来プロレス観てきてるので、プロレス表現には一過言ある、面倒くさ系のレビューにはなりますが、エンドロールにプロレス監修に「チャボケレロJr.」とクレジットされていたら、お、おう、そんならええわ…と閉口するくらい、リング上のムーブメントに違和感はなく、それが終盤のケビンに唯一巡ってきた大一番に備えたロープワーク、受け身の繰り返しに表れておりました(吹き替えでなければ)。

作品全体から伝わるのは、エリック一家の一見一枚岩の家族愛…ですが、特に父のフリッツについては、息子達への寵愛はあるものの、それはビジネスの側面での商売道具であり、時にそれが息子達にとって冷酷な格付けとなる点は、同じくアメリカの、特にブラックミュージックなどでも同様にあり、様々なエンターテインメントに見え隠れする陰の部分ではあります。

そんな環境で育てられた影響もあり、兄弟間の信頼関係の強さが際立ちます。特に長兄(実際は次男)ケビンの献身っぷり…私も一応長男ですが、何ひとつ追いついてません!

その人格故、数あるチャンスをほぼ兄弟に奪われるとなれば、仲違いやドロドロの確執なども起こりそうなもんですが、そこはそれ、順風満帆とはいかぬ「フリッツ家の呪い」により、兄弟間でゴタゴタいう間など皆無ですよね…

その辺りを丁寧に描いているので、作品テーマとしては納得、いやそれ以上の評価なのですが、それを言っちゃおしまいよ!何ですが…フリッツ家も含め、対戦相手であるブロディやフリーバーズ、フレアーやレイスとのプロレス上の関わり以外の部分ももうちょっと描けてたら良かったな…と、結局はプロレスファン的現地で苦言してるやん!
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