藍紺

アイアンクローの藍紺のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.2
プロレス界で実際に活躍していた“呪われた一家”こと、フリッツ・フォン・エリックとその息子たちの物語。

これが実話であることに驚く。父親を信じレスラーとして成功することを目標に邁進する息子たち。しかし彼らに容赦なくもたらされる負の連鎖。肉体を鍛え上げて辛い練習に耐え抜いても、精神的ダメージは兄弟たちの心を蝕んでいく。悲しいことがあっても泣くことも許されず、強くなって世間を見返すことを要求する父親。愛情がないわけじゃないから余計タチが悪いのが辛い。父も息子たちもお互いを愛してるのに、どんどん状況が悪くなっていくのが淡々と描かれる。兄弟同士の仲の良さを物語るシーンが多くて尚更悲劇が色濃く映るのがしんどかった。

ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソンらキャスト陣の肉体改造は目を見張るレベル。特に次男ケビンを演じるザック・エフロンは別次元の肉体で驚愕!
優しくて兄弟思いのケビンが失意の中、どうやって希望を見出していくのか。父親の呪縛から解放されるシーンは圧巻。ザック・エフロンがここまで素晴らしい俳優だったとは……。
少し救われた気持ちになれるエンドロールも良かったです。

どうでもいいけど、ケビンだけリングシューズ履いてなくて、実際にもそうだったのかなと疑問に思って色々調べたら、彼は裸足がトレードマークだったんですね!なんかザック・エフロンが裸足だとゴリラっぽくてとても可愛かったです(笑)。
藍紺

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