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アイアンクローのVのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.0
プロレス界の伝説フォン・エリック一家の呪い(実話)を描いたホラー半分ヒューマン半分の作品A24配給『アイアンクロー』

フォンエリック一家について何も知らなかったので本作鑑賞後に色々ネットで調べたり実際の試合映像とか当時のニュースを観てみたんだが必殺技であるアイアンクローがトレードマークとして受け継がれているキャラの濃い一家で、三男も日本のホテルで亡くなっていることから日本のプロレスファンでは知らない人はいないという。

まず映画ポスターの人数で混乱してたので一応書いておくと事前情報としてはフォンエリック一家は“6人兄弟”ということ。

長男は6歳の時に感電溺死している。切れた電線の先に水たまりがあり、運悪く水溜りで倒れそのまま溺死したらしい。

作中登場してないがクリス(?)という名前の末っ子がいる。が、この子も自殺したようだ。クリスは身長が低くプロレス向きの身体ではなかったようで本人もやりたくなかったみたいだが父親がそれを許さなかった。無理やりさせた結果、自決を選んだ。

一家の呪いとは何か。それは映画を見れば明白だった。

やはり人には適材適所というものがあるし、

子供は親の未練を果たすための道具じゃない。

この父親フリッツ・フォン・エリックは王者にはなれなかったみたいで、自分が成し遂げられなかった王者奪還の夢を息子に託し、小さな頃からトレーニングをさせていたそう。兄弟の父親への返事は「イエッサー!」だったという。
まるで軍隊のような家族で、息子たちは父親に逆らうことができなかったそう。

兄弟6人中5人死んでるの冷静にやばいし、そうなるまで自分の教育方針だったり考え方や振る舞いがおかしいことに気付けず最後まで直せなかったフリッツ・フォン・エリック毒親すぎるよ。。。

生き残りのケヴィンだけ、人生において何が重要か、父親が気づかなかったことに気付けて幸せに暮らせていて良かったなと思う。

長男ケヴィン・フォン・エリックを演じるザックエフロンの身体づくりも圧巻でプロレスの演出や臨場感に説得力を持たせていた。


素晴らしい作品だったしA24の中でも結構上位にくるくらい好きだった。

もう一回配信で来たらみたい。
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