おはようございますこんばんは

アイアンクローのおはようございますこんばんはのネタバレレビュー・内容・結末

アイアンクロー(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

とても衝撃的な内容だった。これが実話だと言われると受け入れ難いくらいに。
呪われた一家だと言われていたが、個人的には家族としての在り方が最初から不安定で、1番の問題だと思った。プロレスで望みを叶えられなかった父親が意思を受け継いで欲しいがために息子にプロレスをさせる。言葉では本人の意思を尊重しているようにも見えるが、やはり子供にとって親は絶対的な存在であり逆らえるはずなどない。子供の立場から物を考えようとしない父親は常にプロレスのことにしか関心がなく、異変に気付こうともしない。確かな主従関係が息子たちを壊していくことに干渉しない母親も同罪。それぞれのやりたいことを尊重し行動してくれた兄弟の絆しか救いがなかった。そんな兄弟が1人ずついなくなっていく。見ていてとても辛い。家族愛を感じさせるシーンもあったが、結果的に印象は薄い。5人兄弟が最後1人になってしまう結末はとても残念でならなかった。
トイレで吐いているシーンが印象的だった。少し青みがかった白スーツと無機質なトイレのデザインが綺麗な画だと思った。2人の座り方も含めた構図がとても好きだった。不幸の始まりのシーン。
テレビ番組を模したテロップシーンが何度かあり、当時の世界観を彩っていた。
超個人的意見。ザックエフロンの髪型が、おそらく本人の髪型を再現していると思うが、芋臭さが終始あった。
死は救済と思えるような表現だったが、果たしてそうなのか。しかし生きていても救済は無いのでどちらが正解かは分からない。