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アイアンクローのVisorRobotのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.8
TOHOシネマズ仙台で見た。客の入りはまばらだが、平日の昼ならそんなもんだろという感じ。

プロレス弱者の俺。アイアンクローといえば、『1・2のアッホ』というギャグマンガでおそろしい海外からやってきたプロレスラーとして描写されていたことでかろうじて知っているイメージ。やはり日本に来日した(そして本作にて悲劇の幕開けにつながる)デビッド・フォン・エリックが、それだったのだろう。

オッペンハイマーやらデューンやらを見た後に本作を観ると、実に凡庸で鈍重なふつーの作品に見える。家に帰ろうとしたら突然パンと音がしてケリーが斃れていたところなんか、どうしたって不自然な感じがする。明るい描写とぶつ切りに悲劇が訪れるテンションの切り替えなんかも何となくやりたいことはわかるがどこかスマートさが不足しているように思う。

ただ、アクロバティックでなくて、地味で、出来事の取捨選択と役者の演技をじっくり見せていくことに力が入れられていて、でもみたら確実になんか考えさせられるなあと思わせてくれる、そんなふつーのハリウッド映画が常に劇場でかかっていてほしい。

貴重である。

プロレスのブックについては、結局触れられていたような触れられていないようなもにょもにょした感じだった。
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