なだ

アイアンクローのなだのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
5.0
レビューにネタバレが含まれています。未見の方はご注意下さいね🙇


フリッツ・フォン・エリック
「鉄の爪」を必殺技として巨大な手と強靭な握力で、こめかみ(顔)を掴んでギブアップをとるのはこの人とその息子たちくらいしかいない。

「呪われた一家」フォン・エリック家、現役時代のケビンとケリーを応援していたファンだけに、何故彼等が次々と不幸に襲われるのか分からなかった。
立て続けの不幸に、やがてケビンの消息も日本からではわからなくなった。
だから今作を観るにあたっては恐る恐る禁書を紐解く気分で見ました。

あまりにもワンマンな父親。
兄弟のトラブルは自分達で解決しろと親として無責任さに怒りを覚える。
実質長男のケビン。残された1人として父親と対決する切ない演技は辛かった。鉄の爪vs鉄の爪が全ての不幸を語っているようだった。

エンドロールで沢山のファミリーに囲まれたケビンの少し顔を斜に構えた角度のいつもの彼を見た時は涙した。元気で暮らしていたんだと思うとホッとした。

天国で兄弟たちが仲良く暮らすケビンのイメージも胸を打った。
プロレスを知らなくてもストーリー構成が良いので誰でも楽しめそうかな。

ただリング内のカメラワークは本物に迫っているもののカメラが近すぎるのでちょっと技が見辛かった😅



以下アメプロ好きオールドファンが思い出と共に鑑賞してました…長々ごめんなさい🙇スルーしてね。
🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇🎇

一昔前のアメリカンプロレスは善玉悪玉が必須
フリッツがドイツ系の悪玉としてフォン・エリックを名乗ったのも解るがそれが呪いになるとは…。

私が彼らの試合を見始めたのはデヴィッドが日本で亡くなった後からだ。
いろんな説があって記憶が定かではないが、内蔵疾患だったのか。


そして今作の当時活躍していたレスラーの再現度は半端ない!!
背景のTV画面は本物の映像だと思いますが、リングで戦うレスラーのコスチュームが同じだ!衣装さん凄いよ👏

テレ東『世界のプロレス』でシャープで可憐なレスラーケビンと屈強なガチムチ弟ケリーのファンになり来日を楽しみにしていた。

ザック・エフロンの鍛えて隆々とした筋肉は凄い。でも実はザックの体つきはケリーに近い。
ケリー役の人も円盤投げ選手からレスラーらしい体つきになる👏

マイクはケビンよりも線の細いレスラーだった。
レスラーではない道の方が幸せだったのではないかと思ってしまった。

リングのロープにはワイヤーが入っているので、素人が今回のザック・エフロンと同じくロープワークしたらアバラを骨折する。それだけザックは心身共にケビン・フォン・エリックになっていた。
ザック・エフロンはマジリング上がれるな(笑)



時代はビンス・マクマホンJrのWWF(現WWE)がテレビ放送に力を入れ、これが次第に主流となりビッグゲームはペイパービューとしてプロレスビジネスが変わって行った。

現地での観客の入場料収入では地方の小さなプロモーターが生き残るのは大変になって、ケビンがジェリー・ジャレットに売却したのは仕方のない選択。
WCCWを買い取ったジェリー・ジャレットとは、なんとジェフ・ジャレットの父であったか~!!顔似てる。

前受身王者ネイチャー・ボーイ、リック・フレアーのFuoooo!とフレアー歩行は涙もの😂彼の衣装完璧✨

ファビュラス・フリーバーズのテリー・ゴディとマイケル・ヘイズも激似👏
WCCW では主力選手だった彼等。ゴディは他界している。テリー・ゴディは全日によく来てたなぁ。
当時のWCCW はディンゴウォーリアー(アルティメット・ウォリアー)や若き日のショーン・マイケルズもいたらしい。

ブルーザー・ブロディも巡業先のプエルトリコでトラブルで刺殺される。
あちらのレスラーは短命な方が多いのです。

Wikiったらフリッツのトレーナーはカナダのスチュ・ハート!!
WWEの一時代を担ったブレット・ハートのパパである。
このハート一家も息子や娘壻がレスラーになっているプロレス一族。今回の作品と何気にリンクしますね。
WWEの試合で宙吊りの演出の事故で亡くなったオーエン・ハートはブレット・ハートの実弟です😢


古き良きギミックも沢山あったアメリカンプロレス。
80〜90年代のアメプロが大好きです💕
なだ

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