hoka

アイアンクローのhokaのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.0
F.V.エリックとアイアンクローという代名詞は知っていた。
あの技にどれ程の威力があったのかは疑義の余地があるが、それでも勇名を馳せた事実は動かない。

強いとされ、それを誇りに思っていた父親の息子達がプロレスラーになるのは、潜在的で高圧的な家父長制の呪縛から逃れられなかった一点からだと言いたいのだろうか?

例えば二世タレントの様に、陸上競技やアメフトや音楽で身を立てるより、プロレスの方がずっとアドバンテージが大きいと計算した結果であるという側面は皆無なのだろうか?

プロレス用体型改造の為にステロイドを多用して、結局身体や精神に不調をきたし、無自覚に父親の期待の重圧から逃れる為に死を選ぶという負の連鎖。

Kevinが生き残ったのは、フリッツの期待がDavidに移行した事が、彼をその呪縛からいち早く解放したのだろうか?

映画のフリッツが悪役で息子達は被害者という一面的な描かれ方の真意は推し量る術もないが、あのプロレスに興味が無かった私でも知っている名前や技があり、テレビ中継が普通に人気を博した時代だったという事実も考慮されるべきだろうとは思う。
hoka

hoka