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アイアンクローのtayaのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.1
「呪われた一家」というよりは「家族という呪い」の話
父は自らが諦めた夢を息子らに強制し、とことん追い詰めていく
長男ケビンには、兄弟を守らなければならない責任感と父の夢を叶えなければならない重圧がのしかかる

親の教育を受けた時点で余程子供の意思を尊重してくれる親でも無い限り、程度は違えど子供の意思や目標は親によって左右されている部分もあると思う
ケビンも漠然と兄弟や大切な人とただ一緒にいたいだけと思いつつも、傍でプロレスの世界チャンピオンになりたい思いもあったはず
問題はそれが自分から湧き出るものなのか、植え付けられたものなのか、分からなくなってしまうことだ

父権的な一家で育ったケビンの家族の呪縛は最悪の事態を迎えるまで解けず、ただそんなケビンを救ったのもまた家族だった
家族の存在が「呪い」ではなく、互いを尊重し合う「繋がり」であることが幸せなのだと思う
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