ファンでもマニアでもないつもりですが、
日本のプロレスは学生時代には割と見てきた方だと思います。
なので、このクソ親父とファミリーの悲劇は、何となくですが知ってました。
なんでこんな悲しいお話しを映画にしたの?が、率直な印象。
あの世で兄弟仲良く、な演出も個人的には救われない。
実際には映画には出ていないが、6男も自死しているらしい。辛い。
アメリカンプロレスは疎いので、分からないレスラーもいましたが、懐かしいレスラーの再現もありました。
ブルーザー・ブロディは本人より全体的に小さくて残念。
リック・フレアーのコーナーポストで命乞いはこの頃はまだやってなかったのかな?
ミスタープロレス、ハリーレイスはブレーンバスターが得意技(だった記憶)
テリー・ゴディはここでプロレスしてたのね。
ザック・エフロンのロープワークの上手さ!
など、楽しめた部分もありました。
大昔のプロレスは地方興業などが中心で地方有力者の協力を得て興業するので、胡散臭い人間との付き合いが多く、プロレス団体側も胡散臭い人間が多いのです。(個人的見解)
団体間の力関係でチャンピオンの挑戦権があったり、その辺も胡散臭くて、本当に強い人がチャンピオンではなく、所属団体や政治力や金銭などでチャンピオンが行ったり来たりするのです。(個人的見解)
プロレスは八百長なんでしょ。とよく言われますが、2メートルぐらいの高さから当然パンツ一枚で板の上に落とされ受け身を取ったりしつつ、15分から30分常に動きながらリング上で闘うエンターテイメントがプロレス。
受け身を間違えれば死に繋がる。
技の掛け方が下手なレスラー、相手を怪我させるレスラーは一流とは言えないという世界。
そして、その身体を張った試合がつまらないと意味がないので、観客を沸かせるギミックやマイクパフォーマンスまで、試合をいかに魅せるか、それがプロレスラー。
華がない人はその時点で不利。
特にアメリカンプロレスでは見た目も大事なので、筋肉増強剤も使う。
現在は健康にも配慮されているのだと思いますが、昔は危険性が分からなかったのだろう。心不全などで早逝のレスラーが多い印象。
週に試合は4日5日は当たり前。
怪我していても出て当たり前。
それがプロレスラー。
ですが、強くて男らしいのがレスラー。
弱音は吐けない。
痛みに耐えられずのオーバドーズや精神不安からの自死などなど、肉体美を維持しつつトップレスラーでもありつつ、怪我しないで出続けるのが、いかに大変なのか。
という以上の認識をしている私が観るこの映画の辛いこと。
気が滅入る。
このファミリー以外にも悲劇的なプロレスラーが沢山います。
懐かしさより辛さが大きい映画でした。