まるのすけ

アイアンクローのまるのすけのネタバレレビュー・内容・結末

アイアンクロー(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

実在のプロレスラーを描いた作品。
元AWAヘビー級世界王者のフリッツ・フォン・エリックを父親に持つフォン・エリック・ファミリー。次男ケビン、三男デビット、四男ケリー、五男マイク。(長男は幼い頃に事故死)次男のケビンが主人公。ケビンは自分をアピールすることが苦手で、マイクパフォーマンスなどに苦心していた。

父親は、華があり人前でのパフォーマンスが得意な三男デビットを次第に押し出していく。父の期待が弟たちに移っていることを察知するも、弟を支えようと嫉妬の気持ちを飲み込もうとするケビン。
そんな中恋人パムが妊娠し、家族に祝福されながら結婚する。

デビットが世界ヘビー級タイトルマッチに指名を受けた直後、巡業先の日本で急死する。それを皮切りに次々と悲劇に見舞われるフォン・エリック家。いつしか「呪われた一家」と囁かれるようになっていく。



強権的で、子供達にプロレスラーとしての絶対的成功を求める父親と、悩みやささやかな願いを聞き入れてくれない母親。
兄弟愛で強く結ばれお互いをケアしていた兄弟たちは、デビットの死をきっかけに心がバラバラになっていく。

身体中の水分が無くなるまで泣いていたかった。まあ悲劇に浸るだけじゃなく、ちゃんと未来に光が射している希望あるエンディングなんだけど、とにかく涙が止まらなかった。一番好きなシーンは、ケリーが桟橋でデビット、マイク、長男ジャッキーJr.と再会する所。安らぎに満ちたその光景は、ケリーの魂が天国に渡ったことを暗示しているのか、ケビンの深い悲しみによるこうあって欲しいという願いの表れなのか定かでは無いが、彼らの解き放たれた姿に心が揺さぶられた。


フリッツには六男もいたらしいが映画では存在ごとカットされている。(エンドロールに名前はあるが。)彼は拳銃自殺で亡くなっている。六男の死も含めると悲劇の側面が強くなりすぎるということっぽい。

ザック・エフロンの体の仕上がり具合が凄い。