矢野竜子

アイアンクローの矢野竜子のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.8
この監督の今までの集大成感があった。
家族や家の「呪い」を描き続けてきた
監督だからこそのラストは
やはりグッときてしまう。
ただ「家族の呪い」と台詞として
言わせてしまうのはどうなんだとは思ったし
ただの男らしさの暴力装置
としてしか描かれない
プロレス描写には首を傾げざるを得ず。
全く客の顔のアップ等を
見せないなど徹底してる。
一方で銃の見せ方だったり
暗闇のバイクだったり
扉が空いたままの車だったり
上手いなあと思うなど。
死の匂いが急に立ちこめる感じ。
リングの上での競争から
はたまた家族という競争には
どちらも男らしさや金や成功がついて回り、
競争社会(資本主義社会)=アメリカ
という構図をやはり考えてしまう。
つまりこれは家族だけの呪いではない。
アメリカ=競争社会=男らしさという
この呪いからいかに抜け出すか。