家族、というよりもやはり、Toxic masculinityについての話であった。父親によるこうあるべきという基準の中でしか生きられない男達。強さとその先の守るべきものの中で葛藤し、悲劇へと進んでいく。
序盤の歪さは、後半はホラーともいえる展開と繋がっていく。悲劇の数々は実話という事を忘れるほどに凄惨で酷い現実を見せられる。
今作が最後にもたらす映画にしかできない救い。まさにそこの飛躍こそが今作の抑えた演出を際立たせる。見事であった。そして、他人を変えることは難しくても、自分で何かを築きあげることはできる。過去の過ちから学ぶことができるのだ。