弱さを肯定してこその、強さ。
男らしさという有害な価値観に家父長性の抑圧。一家を襲う呪いの原因が炙り出された父フリッツの言動の数々は時代背景を考慮しても、なかなかキツい。
そして、強さだけでは生きていけないプロレス業界の厳しさを映し出した数々のシーンは説得力があり、職業映画的。台本があるんでしょ?に対するケビンのアンサーは、自分がプロレスを誰かに説明する時とクリソツでゾッとするわけで、これまたキツい。
しかし、幾多もの絶望ムーヴを経た物語の着地は、人によっては賛否両論あるとの事だが個人的には賛で最高。
あとザックエフロンを始めとした役者の作り込まれた完成度の高い肉体美、リックフレアやブロディのクオリティも素晴らしくて拍手。
ただプロレスファンの端くれとしては日本での興行も描いて欲しかった感。馬場との一戦は観たかったぞ!