ひたすら重く生々しい肉体のぶつかり合い。スタイリッシュな映像なのに熱を伝える試合シーン。なのに高揚感やカタルシスを感じさせようとはしない。愛や絆はあるはずなのに奇妙で歪な家族関係が描かれていく。
シャイで優しく不器用な長男を演じるザックエフロンの好演。何も言わなくても表情と肉体で伝わる悲しみ、嫉妬に感情移入。
近年、プロレスをエンタメと割り切って裏側を描く描写が多いがこの映画では最小限。
監督のプロレスへの愛なのだろうか?
三途の川を渡って兄弟たちと再会したケリーのベタなシーンを見ながら、決して幸せとは言えない最後を迎えたかつて憧れたプロレスラーたちを思い浮かべた