KIMプラモスキー

アイアンクローのKIMプラモスキーのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.5
むちゃくちゃ良かった。

プロレススーパースター列伝を読み返してからの鑑賞。

当時、来日して亡くなったデビットはプロレス雑誌で見たし、新日本に来日したケビン・ケリーはテレビで見ました。
線が細いなと、思った記憶とベアフットで戦う姿に驚きました。

そして事実に基づいた映画化。A24という事もあり、楽しみにしておりました。

擦れたプロレスファンなので、NWAチャンピオンの条件や、リック・フレアーの凄さを知った上で、プロレスラーの苦悩を描く話と思ってましたが、男性の生きづらさ迄描いてくれた事でとても大切な一本となりました。

ケビンが主役です。
父親の期待に応える事。兄弟を引っ張る事。
そして自分が強く無ければいけない。
そんな呪いの話です。

次々に起こる不幸は、超常現象でもなく、環境と自己の意識に寄るもので、その呪縛から解放されるシーンで気付く、男性の大半にかけられている呪いである事。そしてそんなシーンをきちんと入れて締めくくってくれたのは、弱っていた心に沁みました。


パンフやネットで実際の状況を改めて調べると、6男のことがストーリーに入れられないと判断した監督の気持ちもわかる。
悲劇だけに川辺のシーンを入れ、少しでも幸せでいて欲しいという思いを感じさせてくれた監督の優しさが良かったです。

プロレスや、プロレスラーの再現度も高く、
そこはもっと観たかったです。

号泣案件なので、又観たいかというと微妙ですが、円盤買うんだろうな。

ラストの写真、情報量多すぎでよくわからなかったし。