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アイアンクローのmitoのレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
4.2
2024年31本目。
アメリカのプロレス界で活躍したエリック一族の栄光と呪われた一族と言われた彼らの悲劇を描いた作品。

辛い。
兎に角辛い。

次男であるケビンの視点で描かれるエリック一家。
プロレスの師でもある父に認められるべく切磋琢磨する兄弟…そこだけ切り取ると昭和の行き過ぎたモラハラ、依存関係の映画に見えるが、兄弟は仲も良いし寧ろ「兄弟仲良ければ、それ以外は何も必要ない」精神で真逆のベクトルを持つ。

不慮の事故や病で命を落とす、
父や世間の重圧に耐えられず、薬や自傷(自殺)に逃げる、
兄弟達が若い頃に生涯を終える姿は、その大半が不可抗力故に、何とも言えぬ心苦しさを感じる。
しかも、描写はないが末弟も亡くなっていたという事実は衝撃的。

父親は父親でモラハラが主題ではないと言えど、子供たちを金蔓として認識していることが終盤明らかになったり、
そんな状況下で神に祈る以外せず傍観し続ける母親の方がエグみを感じる。
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