とても良質な人間ドラマ。
映画として、全ての面において素晴らしかった。
中でも特筆すべきは、主演のザック・エフロンの強靭な肉体、そして繊細な演技。
俳優としての彼の実力に感服しました。
同時に、家族愛に溢れるめちゃくちゃ素敵なお兄ちゃんを大好きになってしまった。
眩しいほどの兄弟愛。
私は姉と妹と一緒に育ったのだけれど、男兄弟もいたなら今の自分は一体どうだっただろうと想像。
ただ一緒にいられさえいられれば幸せと、心の底から愛していた兄弟たち。
とうとうひとりになってしまったと哀しむ彼に、息子たちが掛けた言葉に涙。
泣くよあんなの。
しかし、あの呪いに関しては、もはやホラーの領域。
実話だというのだから、恐ろしすぎる。
プロレスのリングで敵から攻撃されるよりも、耐え難い痛みをともなう悲劇の数々。
残酷な運命。
お願いだから!
それ以上はもうやめてあげて!
試合終了のゴングを鳴らしてあげて!
と、満身創痍になりながらも、呪いと闘い続けているリングにタオルを投げたくなったもの。
しかし、その後の彼は呪いに打ち勝ち、人生においてチャンピオンベルトよりも価値のあるものを手に入れたのだとわかり、安堵した。
再会の叶ういつかの天国では、兄弟たちとどんな会話を交わすのだろう。