メッチ

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のメッチのレビュー・感想・評価

4.2
群がる不良犬どもの中に1匹だけ警察の犬が紛れているという。人狼もの映画の中の優等生。

よくある「犯罪者チームの中に1人だけ裏切り者がいます」系の話題になると『ユージョアルサスペクツ』が挙げられるイメージがありますが、個人的には本作を挙げたいところ。
それはなぜなのかといいますと、初見の驚きでいえば『ユージョアルサスペクツ』です。でも、お話しのみせ方が良いのは本作のため、何回みても楽しめる。

そのお話のみせ方というのも淡々とお話が進むのではなく、一人一人の視点をもとに裏切り者は誰なのか裏切り者を話を追って探すというもの。
登場人物たちと一緒にどうしてこんなことになったのか状況を整理していくのと同時に、みている我々も一緒にお話を整理していくため、登場人物たちと同じ体験をしているような錯覚をしてしまう。それが本作の魅力かもしれません。

あとは、マーティン・スコセッシ監督の『グッド・フェローズ』が最初かと思いますが、本作やジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのようにそのシーンに合わせた楽曲を流してくれるところからセンスを感じます。
それに、今回のようにデジタルリマスターになることで、映画館で上映されるため、ちゃんとした音響でオープニングでも使用されていたジョージ・ベイカーの『リトル・グリーン・バッグ』が聴けるというのが個人的に良いです。映像が綺麗になったものを見直すことができるのはもちろんのことですが、やはり音ですね。本作を初めてみたのはブラウン管テレビだったので、音響が違えば体感も違ってくる。環境が違うだけで、オープニングの印象も違ってきます。
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